亡き父の遺作
バラの小箱(漆塗り)に合わせてリースを作りました。
漆塗りは日本の伝統工芸品
漆は「ウルシノキ」という木の樹液です。抗菌性や強い接着力があり、生の漆に触れるとかぶれるというぐらい、非常に強いものです。
この力を活かして日本では昔から天然のコーテイング剤として食器や家具などの主に木の素材に使われてきました。
世界に知られている日本の素材、技法です。
漆で塗られた漆器は軽くて割れにくく、天然素材なので安全です。
使うほどに艶が増し味が出てきます。温かみがあり漆器をいつも愛用しています。
漆塗りと言っても色々な技法があります。
我が家では、母が讃岐彫り、父が母の作品に漆塗りをしていました。
お盆、茶托、菓子器、銘々皿、茶筒、お重箱、手鏡、鏡台など、ふたりの共作が多いです。
母の讃岐彫りは花柄が多いので、漆で艶やかに色を付けたり、金彩だけにしたり、、、
呉服屋を営んでいましたが、夜は居間で2人が作品作りに毎日没頭していました。
父は若かりし頃、画家のなるのが夢だったので、漆塗りの大きな額を作っていました。
そのほとんどが馬を描いていました。
販売もしていましたが残っている額は私の家のあちらこちらに飾っています。
この小箱は合間に作ったものだと思います。
花を描くのはとても珍しい。
バラだとアンティークぽくなりますね。
ローズ色、黄色、ブルー色のバラは漆のくすんだ風合いが出ています。
なぜか父の描くバラはいつも四角でしたね。
小箱の中には、スワトウのハンカチを入れていました。
30年近く前、中国返還前に訪れた香港で買ったもの。
スワトウ刺繍はとても繊細で上品です。
リースは、小箱のバラに合わせて、バラ3色使いました。
秋の夕暮れの部屋になかなかマッチしています。