玄関に置く主人の椅子かベンチを考えていました。 デイサービスのお迎えが来る間に座る場所が必要で思うような椅子が見当たらず、、
3階の部屋は私の趣味の部屋であり花の製作のアトリエになっています。しかし、最近は年々足腰の衰えを感じあまり3階に行かなくなりました。
猫脚のチェストやステンドグラス、ペルシャ絨毯、漆芸品などが並ぶ部屋は私のお気に入りの場所。3階にあるチェストを1階の玄関に降ろし椅子として使い、また毎日必ず通る玄関で温かく迎えてくれるのではないかと思いました。
そのチェストは木製の装飾付き収納チェスト(ボックス)です。温かみのある天然木で作られており、前面には立体的な人物や窯、暖炉などのレリーフ彫刻が施されています。蓋の部分にはアンティーク調のアイアン(鉄製)ヒンジ(蝶番)が取り付けられています。
今までは収納兼インテリア、またサイドテーブルとして使っていました。


多分1970年代〜1990年代頃にヨーロッパや日本で流行した「18世紀〜19世紀の古き良きヨーロッパの田舎暮らし」をオマージュして作られたヴィンテージ・カントリー家具だと思います。サイドに白色のインクで1780と書かれています。型番が「1780」というシリーズ名だった可能性もありますね。
実家は呉服だったので、着物や洋服、宝石や高級なインテリアを扱う信頼できる卸問屋で30年以上前に購入しました。一目見た瞬間気に入って大切に使ってきました。
30年以上前といえば、日本がバブル経済期からその余韻の中にあった時代です。当時は百貨店や高級外商、そして質の高い呉服・ブランド品を扱う老舗の卸問屋がイタリア、オランダ、スペイン、北欧などから本物の職人が作った最高級の輸入インテリア家具を競って買い付けていた時代でしたね。その問屋さんは非常に確かな目利きで本物だけを仕入れていたと思います。
職人が一つ一つ手作りした木彫り家具だったため、工房のロット番号や、問屋が輸入した際の「管理番号」を白いインクやインクスタンプで側面に美しくナンバリングすることがよくあったようです。
このボックスも1780年代のヨーロッパの伝統的な暮らしを再現したデザインかなと思います。
丁寧に作られた立体的なウッドレリーフは現在ではなかなか手に入りません。手の込んだ木の温かみのある素敵なもの。
40年前にヨーロッパの職人が丹精込めて作った、バブル期の贅沢で贅を尽くしたヴィンテージ品。
現代の家具はプリント合板や大量生産品が多いですが、このチェストのように肉厚な天然木にこれだけ細かく立体的な木彫りを施し、丁寧に色付けされた家具をヨーロッパの工房に特注すると大変な高額になります。一生物としてずっと大切にしていきたいなと思います。


